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インタビュー:順天堂大学医学部 形成外科 水野博司教授

順天堂大学医学部 形成外科 水野教授にお話しをお聞きしました。

2018.09.13


順天堂大学形成外科はどのような医局ですか?


若手医師にチャンスを与え、チャレンジをしてもらう医局と考えています。臨床、研究、教育、どれをとっても、時代の変化に合わせたニーズに応えるために、常に新しいことに取り組む姿勢が重要だと考えています。そのために、若手医師のやる気を尊重し、チャレンジしてもらえる環境・雰囲気づくりを大切にしています。

時に、私がもっていないようなアイデアを若手医師がもってくることがあるのですが、不足している要素を補いながら、次の一歩につながるようアドバイスすることを心掛けています。

平成28年にオープンしたラボ(難治性疾患・再生医療実用化研究室)設立にあたっても、若手の先生が設立前から非常に頑張ってくれました。

私ができることは、医局員が活躍できるよう、きっかけを与えることだと思っています。



ラボ設立など、研究活動も積極的ですか?


形成外科学は治療学の要素が強い科ですので、他科と比べるとリサーチマインドを持ちにくい科だと捉えられがちですが、順天堂ではトランスレーショナルリサーチとして、治療を前提にした研究がアクティブに行われています。研究した内容を臨床につなげられる、つまり「目に見える研究」だからこそ、興味をもちやすいのかもしれませんね。短期間でも研究経験があると、それが臨床にも活きてくるものなので、若い先生方にはぜひチャレンジしてほしいと思っています。



海外留学の連携施設がとても豊富ですね。


私自身がアメリカのUCLAに留学した経験があり、そこで行った再生医療の研究、臨床経験が人生の転機になりました。若い時期に世界のレベルを体感することは、その後の医師人生に少なからず影響するはずです。だからこそ、若手医師には積極的に「留学」という選択肢をもってもらいたいなと思い、留学先を準備しています。UCLAは留学生が研究だけでなく臨床もできる非常に珍しい大学なのですが、その事実を知らない方も多いので、留学を考えている医師には相談いただけたらと思います。


医師のキャリア形成についてお考えをお聞かせください。


大学を卒業してから医師としての人生は約40年です。初期研修を終えた時点で、多くの場合、次の目標が「専門医取得」になっていると思います。では、その後の目標は何でしょうか? 例えば卒後10年で専門医を取得したとして、残り30年の医師人生をどのように歩むのか。私は、専門医取得後の目標や活躍のフィールドを見つけるために、医局を利用してもらえればと考えています。サブスペシャリティ取得を目指す、興味のある分野でアカデミックの業績を積む、留学してみる、医学生の教育に携わる、連携先の専門病院で技術を極める・・・など、選択肢はたくさんあります。大学医局は、卒前・卒後教育、研究、臨床が揃っていますし、国内・海外の連携施設やOB・OGとのつながりが豊富です。医局がもつ資源を将来のキャリア形成に活かしてもらえたらと思いますね。


水野教授、ありがとうございました。


当診療科は1965年(昭和40年)9月に東京大学医学部形成外科より丹下一郎が赴任し整形外科学教室の一部門として開設された診療科で、我が国の大学病院における形成外科としては東京大学、慶応大学に次いで全国で3番目に院内標榜された伝統ある診療科です。その後1969年には整形外科より独立、1971年には形成外科学研究室が設置され、1986年には丹下一郎が初代教授に就任しました。その後1993年(平成5年)7月に2代目教授・梁井 皎に引き継がれ2007年には講座となりました。そして2010年(平成22年)6月より3代目教授・水野博司のもと、現在日本形成外科学会専門医10名を含む、合計22名(常勤18名、非常勤4名)のスタッフで日々診療にあたっています。2015年には開設50周年を迎えることができ、さらなる発展とより良い医療の提供を目標に努力し続けています。



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