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インタビュー:杏林大学医学部 整形外科

杏林大学医学部 整形外科 細金 教授にお話しをお聞きしました。

2020.12.15


杏林大学 整形外科の特徴を教えてください。


当院は多摩地域で唯一の大学病院本院であり、特定機能病院として多摩エリアから23区西部エリアまで非常に幅広いエリアをカバーしています。当科は脊椎・脊髄、肩関節、股関節、膝関節、骨軟部腫瘍、外傷の6つの班に分かれて診療を行っており、年間手術件数は1200件以上です。術中脊髄モニタリングや術中ナビゲーションシステムの導入によって、リスクの高い手術に対しても安全な手術を提供しています。 各領域の特徴としては、脊椎・脊髄では脊柱側弯症に対する矯正手術や側方侵入アプローチ手術(LIF)、内視鏡手術(MED,MEL)、圧迫骨折に対しての経皮的椎体形成術(BKP)、経皮的椎体間固定術(PPS)など低侵襲手術を積極的に行っています。肩関節、股関節、膝関節では、人工関節置換術や関節鏡視下手術、各種の骨切り術などを行っており、良好な手術成績を得ています。骨軟部腫瘍は、全国的にも専門医が少ない領域であり、当院は多摩地区随一の症例数を誇ります。悪性腫瘍に対しての腫瘍切除、化学療法、人工関節置換術など患肢温存手術も行っています。外傷では高度救急救命センターに整形外科医を配置し、救命救急医と連携しながら2次・3次救急患者の多発骨折や外傷、脊椎・骨盤骨折の手術などを行っています。 また、当科はそれほど大きな医局ではありませんが、その分、関連病院で勤務する先生方も含めて全員の顔がわかり、気心の知れた中で自分らしく働ける医局だと思います。医局内のみならず、大学病院でありながらも各診療科、各部門の垣根は低く、コミュニケーションがとりやすい病院です。また、当院は東京都心からそれほど離れておらず、都内で生活しながらも勤務しやすいという点も魅力の1つだと思います。



地域連携の取り組みをお聞かせください。


年に2回ほど、地域の先生方を集めて地域連携の会を開催し、ご紹介いただいた患者さんの経過のフィードバックや講演を行い、コミュニケーションの場を設けています。当科はOBの先生方とのつながりが保たれており、開業された先生方や関連施設の先生方とも非常に良好な関係が構築されています。地域連携がスムーズに行われていることもあって、症例数は年々増加しており、大学病院単体で活動するのではなく、地域連携の大切さも学ぶことができます。



入局後の教育体制について教えてください。


整形外科が扱う領域はとても広く、深いものです。若手のうちに幅広い領域を経験することが専門医取得に限らず、その後の専門性を決める上でも大切だと考えています。当医局では、各領域の専門医、指導医がいる環境の中で、整形外科の全領域を網羅する症例を経験でき、一般的な症例から難治な症例まで確実に対応できるスキルが身につきます。 当科の専門研修プログラムは、まず大学にて約1年間にわたって6つの診療班を1ヵ月ずつローテーションいただきます。その後、関連病院にて2年程勤務いただき、4年目にまた大学に戻り、4~5年目に専門医試験を受験する流れとなっています。臨床教育に加え、模擬練習やワークショップを開催し、不足しやすい経験を補えるよう工夫しています。 研究については、臨床研究が中心となり、骨粗鬆症や神経生理、ロコモティブシンドローム、CT画像を用いた骨の研究など多岐に渡る研究テーマに取り組んでいます。臨床と研究を両立することは容易なことではありませんが、少しずつでも着実に進めている状況です。


入局を考えている方へメッセージをお願いします。


お互いの立場を尊重し合いながら、風通しの良い医局運営を目指しています。自分が目指したいこと、今後のライフプランなど、まずは要望をお聴きできればと思います。組織として、できること、できないことはどうしてもありますが、できる限り要望に応えたいと考えています。



細金教授、ありがとうございました。


多摩地区唯一の医学部付属病院として、脊椎・脊髄、四肢関節、腫瘍、外傷の臨床グループで十分に経験を積んだ専門医がそれぞれ治療にあったおります。保存的な治療では十分に効果が得られない疾患や難治性の疾患に対し診療を行っており、年間1200件を超える手術件数を行っております。また高度救命救急センターにもスタッフを配置し重篤な外傷にも対応しております。



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