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インタビュー:昭和大学横浜市北部病院 麻酔科 診療科長 小坂誠教授(現 近森病院 麻酔科 主任部長)

昭和大学横浜市北部病院 麻酔科 小坂教授にお話しをお聞きしました。

2018.06.08


麻酔科医として、どのような経験が積める病院ですか?


当院には外科系診療科が全て揃っていますので、一般的な手術から小児外科、心臓外科、呼吸器外科のような特殊麻酔まで幅広く経験することができます。麻酔科管理件数は、5900件(2016年)以上あり、多くの症例をバランスよく経験できる病院です。各種手術の麻酔管理および集中治療をまんべんなく学べる環境で、麻酔科専門医もスムーズに取得できます。2001年の開院当時、麻酔科医は6名でしたが、今では歯科麻酔科医を含め、18名に増えました。専門医・指導医をはじめ、さまざまなサブスペシャリティをもつ医師が在籍していますので、麻酔科医として成長するにはとても恵まれた環境だといえます。他科との垣根も低く、お互いに顔や名前を知った上で業務ができることも、この病院の規模ならではの良さだと思いますね。



医局の運営方針を教えてください。


安全・安心な麻酔を行うことや、教育・指導を行うことは大前提として「働きやすい職場づくり」は意識して取り組んでいます。とても基本的なことですが“挨拶をする”“遅刻をしない”だけは必ず守るよう伝えています。多くの時間を過ごす職場だからこそ、人間関係を大切に、チームワークを発揮できる医局を目指したいと思っています。一人ひとりが責任をもって患者さんの全身管理にあたることはもちろんですが、時には、一人では解決が困難な状況が発生することもあります。そんな時は“One for all、All for one:一人は万人のために、万人は一人のために”の気持ちで、チームとして行動する姿勢が臨床においても重要になると考えています。



医局の強みや役割についてはどのようにお考えですか?


先にも述べましたが、医局は1つのチームだと考えています。チームで学び、行動できる点は医局の強みだと思いますね。医局の役割としては、まず「キャリアの継続」が挙げられます。長い人生の中で、病気になったり、妊娠・出産するタイミングが訪れた時に、キャリアを継続することの難しさに直面することがあるものです。そんな時も医局が医師のキャリアを支えていく必要があると考えています。次に「知識・技術のUp to Date」も医局が担っている部分だと感じます。臨床を行いながら最新の情報を取り入れることは、想像以上に難しいものです。そして新しい知識や技術を得られたとしても、それをすぐに臨床に取り入れられるかというと、そうではありません。最先端の知識・技術を臨床に活かすためには、指導者が必要ですし、安全管理も求められます。ですから、各分野のスペシャリストや管理者がいるチームで学ぶことが、結果的にはチャレンジしやすい環境ということにもなるわけです。最後に「人材の多様性」が医局の強みであり、医療の発展を支えることにつながると考えています。私は強いチームは、さまざまなタイプの人材によって成り立つと思っていて、多様性があるからこそ、お互いに不足している面を補い合うことができると思うのです。チームだからこそ、良いこと・悪いことの判断が個人の主観に依存しないことも、命を預かる医師として大切なことだと考えています。


小坂教授、ありがとうございました。


当院では年間約7,800件の手術があり、主要な手術のほとんどが行われています。そのうち麻酔科が管理する症例は年間約5,400件です。手術を行う科は、消化器センター、呼吸器センター、一般外科、整形外科、産婦人科、心臓血管外科(成人・小児先天性心疾患)、小児外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、形成外科、脳神経外科、眼科、歯科、内科と多岐にわたります。また手術室外においては、カテーテル室で小児心臓カテーテル術の麻酔を年間約150件、メンタルケアセンターでECT(電気痙攣療法)の麻酔を年間約700件行っています。

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