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<社長対談⑪>医療法人社団 登戸クリニック院長 友廣 忠寿先生

医療法人社団 登戸クリニック 院長 友廣 忠寿先生にお話をお聞きしました。


株式会社DEPOC 社長対談

友廣医師が、医師として大切にしている考え


(安岡)まず経営者の前に医師として、先生が大切にされていることをお聞かせ頂けますでしょうか。


(友廣先生)登戸クリニックは透析治療がメインなので、患者さんが通い続けられる環境を作ることに、一番重きを置いています。そのため、現在はスタッフが接遇や医療の知識をしっかりと身に着けて応対し、その結果として、患者さんの多くが、登戸クリニックに通い続けてくれていると思っています。


(安岡)そのために、具体的な研修などは実施されているのでしょうか。


(友廣先生)講師を雇って接遇の勉強会、というようなことはしていません。定着しやすいよう自分達が納得のいくやり方で考えて医療・看護を提供していく、という形にしています。

常に医療は進化し、ニーズも変化しているため、登戸クリニックでは委員会や係を作り、その係のスタッフで状況を見ながら日々PDCAを回し、ブラッシュアップしています。


(安岡)ご自身達に合ったスタイルで進めていく、という意味では、クリニック内で委員会などを作られているのは素晴らしいですね。

接遇など以外に、知識面の勉強についてはどうでしょうか。


(友廣先生)職員が順番で勉強会や症例検討を行ったり、製薬会社の方に勉強会を開いて頂いたりしています。また、このコロナ禍でオンラインでの研究会への参加が増えました。

学会参加は、コロナ禍であまり進んでいなかったのですが、今後積極的に参加していきたいと思っています。


(安岡)知識習得については、医療に限らず、一般企業も含めてどんどんしていく必要がありますね。世の中の知識レベルが上がっているので、重要な取り組みだと思います。


株式会社DEPOC 社長対談

クリニックを経営していく上でして大切にしていること


(安岡)先生が、経営において大切にしていることはありますか。


(友廣先生)上の立場の人間が全ての指示を出すというよりも、現場で働くスタッフが患者さんに良い医療やサービス提供をするためにどうしたらいいのかを自分たちで考えもらうことを大切にしています。

また、やりがいを感じることもとても大切です。患者さんに感謝されることも、とても励みになります。

そして、スタッフの日々のストレスを溜めさせない、ということも気をつけています。例えば、日々の余計な確認作業を減らせるようIT化を進めています。またスタッフだけでは対応できないような事態は放置せず、上の立場の人間がすぐに対応するなどそういった積み重ねも大切だと考えています。


(安岡)まず最初に、患者さんを大切にすることを考えて、そのために必要なことを、上の方々がバランスを見て考えていらっしゃるんですね。


(友廣先生)挨拶ひとつとっても、「相手にきちんと聞こえるように声を出す、出来るだけ立ち止まって、目を見て、手を止めて挨拶をする」といったごく基本的なことですが、徹底しました。

最初はなかなかうまくいきませんでしたが、皆で注意し合い、自然とできるようになっていくと、今度は患者さんに変化があり、職員に対しての態度が少し柔らかくなったように感じます。挨拶ひとつですが、ここまでクリニック内の雰囲気が変わるのか、と思うくらいです。


(安岡)弊社エージェントの梅澤が、医療機関の職員研修をしているのですが、その中でも、挨拶はとても重要視しています。例えば、患者さんを少しお待たせする場合でも、挨拶1つ、声掛けひとつあるだけで全く印象は変わる、という話が出ています。

うちの社内の話になりますが、私はスタッフ達に対して、「ありがとう」という言葉をよく使うようにしています。そうすることで、社内に「ありがとう」の良い連鎖が起きていると感じていて、先生の挨拶の話に近い部分があると思いました。


登戸クリニックは、スタッフをとても大切にしています。


(安岡)先生は、スタッフの方々を、とても大切にされていますよね。

ホームページでも、スタッフを大切にされていることや、働きやすさのための理念を、しっかりと載せられているので、新しく入るスタッフの方も、先生の考えが良くわかると思います。そういった考えに至られた経緯をお伺いできますでしょうか。


(友廣先生)どこの医療機関でもスタッフが1人でもいなくなってしまうと、業務が回らなくなる厳しい状況です。逆に、その1人が辞めてしまうのを防げれば、新しい患者さんを増やすことができる。1人のスタッフに働き続けてもらうための努力が、経営者として必要なことだと思っています。

ただそれは阿るわけではなく、例えば基本的には現場に任せ、現場が対応できず困っている場合は放置せず速やかに幹部で対応するなどしています。


(安岡)人材紹介会社として、いろいろな医療機関へお伺いしていますが、「報酬さえ渡せば、時給さえ上げれば、良い人材を紹介してもらえるだろう」という考えをお持ちの処もあります。

もちろん、給与面も大切な要素のひとつですが、スタッフに対する考え方や患者さんへの医療サービス、といった部分が抜けてしまうと、給与面で条件の良い医療機関が出てきたら、また、転職という事になりかねません。

文化を作る、ブランディングしていくという事が、クリニックでも重要だと感じますね。


株式会社DEPOC 社長対談

大学医局との関係を大切にしていることについて


(安岡)医局との関係についてですが、弊社梅澤から、先生のクリニックでは、医局との関係を大切にされていると聞きましたが、具体的にどのような心がけをされていますか。


(友廣先生)基幹病院との信頼関係・繋がりを大事にすることです。

透析においては基幹病院からの紹介があって初めて患者さんが通院されます。基幹病院の先生方がずっと診てきた大切な患者さんを登戸クリニックに委ねてもらうには、お互いの信頼関係が必要だと思います。

そのためには、第一に、ご紹介頂いた患者さんを、責任をもってしっかり診ることです。

また、日々紹介元の先生方や患者さんとコミュニケーションをとることも関係作りに役立っています。長谷川先生が登戸クリニックに来てくれたおかげで、当院の患者さんが基幹病院に入院していた時に、担当医に相談したり、病室に顔を出して患者さんに声をかけてあげられるようになりました。そうすると、不安だった患者さんの顔が和らいで、「早く戻れるようにするね」と言ってくれることもあります。


(安岡)なるほど。単に、患者さんを紹介してもらうだけではなく、普段から紹介元の病院と繋がって、関係を築いていらっしゃるんですね。


(友廣先生)そうですね。全てお互い様というか、助け合いだと思っています。患者さんをご紹介頂くということに対して恩返しができたらと思い、うちができることをさせてもらっています。


(安岡)それはうちのような紹介業についても言えることです。ただ人材を紹介するのではなく、先生方と医療機関との関係性を、ゆっくりでも作っていきながら、お仕事を探していくというのが、大切だと思っています。


(友廣先生)本当にそうですね。


株式会社DEPOC 社長対談

登戸クリニックのこれからの展望について


(安岡)今後、登戸クリニックをどのようなクリニックにしていきたいか、先生の展望はございますか。


(友廣先生)患者さん、スタッフ双方が満足できるようなサイクルを作っていくというのが、クリニックとして重要です。

スタッフが、より良い医療を行うために努力し、互いに気遣いを忘れず働きやすい環境を作り、そこに患者さんが集まってきてくれて、その結果収益が上がり、皆に分配していく。そういった当たり前のことが、今は難しくなってきている気がします。その当たり前のことができるように整えていくことが私の仕事だと思っています。

ここで働くスタッフや治療を受けている患者さんに、「このクリニックで良かったな」と思ってもらうため、ひとつひとつ整えていきたいですね。


(安岡)それはすごく大切なことだと思います。しっかりとした医療を患者さんに提供できる体制作り、そこから還元されたものをスタッフさん達に分配していく、それを継続していくという目標ですね。


(友廣先生)せっかくうちのクリニックで働いてくれたスタッフや通って下さる患者さん達のためにも、責任をもってクリニックを継続していきたいと思っています。

どの医療機関も思うようにできない事情がおありだとは思います。ただ私は、自分にとって後悔の無いよう患者さんとスタッフに精一杯向き合うことを経営方針として掲げ、思い切りやっていきたいと考えています。


(安岡)今回先生とお話して、患者さん・スタッフ・クリニックに対する想いがよくわかりました。

先生、本日はお時間を頂きまして、有難うございました。

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