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インタビュー:昭和大学藤が丘病院 消化器内科 長濵 教授

昭和大学藤が丘病院 消化器内科 長濵 教授にお話しをお聞きしました。

2020.10.08


藤が丘病院 消化器内科の特徴を教えてください。


当院の消化器内科は、私が研修医の頃から内視鏡の診療と肝炎の診療が積極的に行われており、学会や専門誌でよく目にする病院でした。全国的にも早くから内視鏡センターが設立された病院でもあり、現在では年間約1万件以上の内視鏡検査・治療を実施しています。平成22年度より、消化器外科とともに「消化器センター」としての診療を開始しており、内科と外科が密接に連携することで、患者さんのニーズに応えるシームレスな診療体制を構築しています。 また当院は平成28年4月に「がん診療連携指定病院」の指定を受けました。がん診療においては、毎週、消化器外科、放射線科、腫瘍内科と共にCancer Boardを開催し、がんの診断がついている患者さん一人ひとりの治療方針を複数の診療科の意見をふまえて決定しています。当院での治療後、慢性期の病院に転院する患者さんや在宅医療へ移行する患者さんも多いため、当科にて疼痛コントロールや消化管ステント留置術などの緩和治療領域にも対応しています。



医局のモットーをお聞かせください。


私は、患者さんやご家族、医療従事者から信頼される医師は「幅広い知識を持ちながら、ある領域については深い見識と技術を兼ね備えた総合力のある医師」ではないかと考えています。当科の先生方には、内科学のジェネラリストとして、そして消化器領域のスペシャリストとして“患者さんを診る”ことができる医師を目指してもらいたいですね。臨床研究や教育も、臨床と切り離せない関係であり、全ては“患者さんを診る”ことにつながると考えています。



若手医師の育成において心がけていることを教えてください。


全国的に医師の働き方改革が検討されていますが、まずは私たちのような昔ながらの教育を受けた世代が「時代の変化」に対して柔軟になることが大切だと思います。医療の質を担保しながら、限られた時間・人数の中で知識・技術を習得してもらえるよう“今までのやり方”に固執することなく、新しい視点で指導方法を考えていくようにしています。消化器内科の場合、内視鏡学会専門医を取得することで、将来の働き方の選択肢を広げることができますから、キャリアの継続のためにも内視鏡の指導は特に注力しています。 また病棟業務の夜間・休日対応についても、交代制勤務となるよう体制を整えています。スタッフ数にはどうしても限界がありますから、その分、申し送りをしっかり行うことや患者さんへの説明など、コミュニケーションの見直しも重要になると考えています。


今後の展望についてお聞かせください。


地域との連携をより強化していきたいと考えています。そのためにも、当科から一人でも多くの臨床医を輩出し、地域に当科の診療やマインドを知っている先生を増やしていきたいという想いがあります。顔が見える関係性を大切に、スムーズで途切れのない情報交換を行うことで、地域全体で患者さんを診る体制を目指したいと思っています。



長濵教授、ありがとうございました。


昭和大学藤が丘病院 消化器内科は、消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)、肝臓、胆嚢、膵臓の良性・炎症性疾患や、がんなどの悪性疾患全般を対象に診療と研究を行っております。特に内視鏡診療では上下部消化管内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡、超音波内視鏡(EUS)、超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)での診断と食道、胃、大腸の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的胆管結石治療、EUS下インターベンションなどの治療内視鏡を積極的に行っています。 近年の高齢化社会の到来により、1つの疾患だけでなくさまざまな合併症を有する方が増えております。また侵襲的な検査・治療を望まない方、切除可能ながんであっても緩和を望まれる方など患者さんの治療ニーズにも変化が生じております。そのような中で低侵襲な内視鏡診断・治療の必要性は高まっており、今後もますます広がっていくと思われます。これからも安全で確実な診療を行えるようスタッフ一同協力して頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。




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