昭和大学医学部内科学講座 血液内科学部門 服部 教授にお話しをお聞きしました。
2022.4.25
昭和大学 血液内科の特徴を教えてください。
昭和大学病院(本院)、藤が丘病院、横浜市北部病院が連携し、血液疾患全般の診療を行っています。血液疾患は全身に影響を及ぼすものであり、特定の臓器ではなく、患者さんの全体を診ることが特徴です。 血液疾患の診断から治療まで当科にて一貫して行っており、治療法は最新の研究成果を反映し、様々な選択肢をご提案しています。本院には12床の無菌室を設け、難治性血液疾患に対する造血幹細胞移植にも積極的に取り組んでいます。また、悪性リンパ腫などの診断においては、血液病理を専門とする臨床病理診断科と密に連携し、迅速に精度の高い病理診断を行っています。さらに、遺伝子解析などを用いて、患者さん一人ひとりに合わせたテーラーメイド医療に取り組んでいます。
長期フォローアップ外来(LTFU外来)について教えてください。
造血幹細胞移植後の患者さんに対して、QOLの向上を目指し、長期的、総合的なフォローアップを行っています。移植後の患者さんは、合併症や体力低下などでQOLが低下している場合が多く、日常生活においても様々な不安を抱えていますので、退院後も長期フォローアップが大切です。不安の軽減や症状の改善に努め、スムーズに日常生活や学校・職場などの社会生活に復帰できるよう支援しています。血液疾患では長期にわたる治療・管理が必要な場合が多いので、長期的な視野で診療を行う点も血液内科ならではのやりがいだと思います。患者さんが病気を克服し、元の生活を取り戻すことが治療のゴールだと考えています。
研修や教育について教えてください。
先ほど申し上げたように、血液内科は全身管理が求められる診療科なので、内科を志す先生方には十分な知識・臨床力が得られる充実した研修となっています。症例数も非常に多いため、骨髄穿刺やエコーなどの様々な手技も身に付けることが可能です。血液疾患は感染症を合併するリスクが高いため、抗菌薬の使用についても多くの経験ができます。血液病理との合同カンファランスも頻回に開催しており、病理組織診断学も学べる環境となっています。
先生が大切にしているモットーを教えてください。
「患者さんを助けたい」という気持ち、熱意を大切にしています。血液疾患は近年、治療法が目覚ましく発展していますが、以前は不治の病と言われていた疾患も多いです。依然として難治性の疾患も多く、治療の難しさを感じることも少なくありません。医師として悔しさを感じることも多いのですが、その悔しさを必ず次につなげ、一人でも多くの患者さんを救うために研究にも従事したいと考えています。
そして、時に深刻な状況の患者さんを支えるためにも、医師のQOLを保つことも大切にしています。私たち医療者が心身ともに健康であることが最善の治療を提供するためにも非常に重要なことだと考えています。
服部教授、ありがとうございました。
昭和大学医学部内科学講座 血液内科学部門
当科は赤血球、白血球、凝固線溶系など血液疾患のすべての領域を治療、研究している教室です。造血幹細胞移植も必要症例があれば積極的に施行し成果を挙げています。また、日本血液学会認定施設であり、将来の血液専門医を育てる環境を整えています。
臨床研修は後期研修医として入局するか大学院に入学のうえ履修することが可能です。研修の指導は日本血液学会血液専門医を取得している指導医が行います。
研究は造血器悪性腫瘍の病態につき積極的に活動し毎年アメリカ血液学会に演題を提出発表、研鑽をつみ、常に新しい考え方、知見を導入し積極的に施行しています。
このような環境下、教室員の力をお互いに高めながら日本の医学医療の発展に努力しており、明日の血液専門医、腫瘍専門医を育てる環境を整えています。
昭和大学病院
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
TEL:03-3784-8000(代表)
・血液内科
昭和大学藤が丘病院
〒227-8501 神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-30
TEL:045-971-1151(代表)
昭和大学横浜市北部病院
〒224-8503 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央35-1
TEL:045-949-7000(代表)
・内科