インタビュー:税理士法人TOTAL税理士・行政書士 松浦 薫 様

税理士法人 TOTAL

税理士・行政書士

松浦 薫 様


税理士の観点からブランディングというものを見ていくと、売り上げ(収入)サイドの話と、コストのお話、両方から分析していくことができると思っています。インパクトが大きいと思うのは、税理士から見るとコスト面に対する影響です。

現在、医療機関は、ドクターを含めて採用で非常に苦労しています。基本的には採用するにあたって人材紹介会社を利用していますから、1人補充するのに相当なお金をかけています。小さいクリニックでも、採用費として年間数十万円は使っています。

それが自院である程度、応募者から選んでもらえるようなクリニックになることで、採用にかかるコストを減らすことができます。一定以上の金額がコンスタントにかかっていることは非常に苦しいですから、それを減らすことができるとなるととてもインパクトが大きいと考えています。

会計的な面で見ると、採用費は資産にはなりません。使ったら終わりで、医療機関に残るものがない。さらに、医療機関の方針に合う人材が入ってこなければ、すぐに辞めてしまい、また採用費をかけて採用活動をしなければなりません。良い人材が採れるかどうかもわからない上に、そもそも広告を出しても応募が一切ないことも珍しくありません。

例えば、求人サイトなどに広告を出すと1週間あたり何万円という金額になります。そこで応募がないとなれば、またさらに1週間広告を出さざるを得ません。そこで人が入ってくればいいですが、入ってきたらきたで、教育のコストがかかる。スタッフさんにかける教育費も、見えないコストの1つです。新しい人が入ってきたら、慣れてくるまでの教育コストがかかります。入れ替わりが激しいと、効率の悪い状態がずっと続いてしまいます。また、面接時の費用、既存スタッフ側の採用にかける時間、労力など全てのコストを、ブランディングによってクリニックと応募する人材側のマッチングがうまくいけば、削減することができます。

これから最低賃金が上がっていけば、さらに「人材にかかるコスト」は上がっていくでしょう。純粋な人件費だけでなく、採用・教育も含めて「人にかかるコスト」をもっとシビアに考えていかなければならなくなってきています。そのためには、「医療機関の方針に合う人に1日でも長く働いてもらうこと」が、利益を出すためには必要です。

例えば、クリニック開業時のスターティングメンバーがきっちり残っているクリニックでは、収入が上がっていても人件費はそのままで上がっていくことがありませんので、収入に対する人件費の比率が全く違います。そうなってくると、例えば自費診療のメニューを増やすなど何か新しい事もできるようになるので、いいサイクルが回ってくるのです。

利益体質になっているクリニックや病院は総じて、そのクリニックや病院に合う人が長く働いています。長く働いてもらえればオペレーションなどの習熟度も上がってきますから、同じ人件費をかけていても患者さんの増加に対応できるようになるのです。いわば、売上に対する人件費の割合が減るということです。

採用に対してのホームページやブランディングを意識したホームページを作って自分の病院で採用活動を行うことも、最初はコストがかかります。ただ、ホームページは資産として残っていきます。同じ金額を出すのなら、やはり資産として残った方がいいと思います。

さらに、ホームページは、それを見て病院に合った人が来てくれやすいというメリットもあります。更にブランディングから始めることで、「どんな人に来てほしいのか」を考える良い機会にもなります。求める人物像を共有することで、今働いている人にとっても好影響を与えるという効果も期待できると思います。

また、収入という局面から見ると、もう「クリニックを開業すれば患者さんが来る」という時代ではなくなってきています。クリニックがなぜ患者さんに来てもらえるのか?ということを明確にした上で開業をしないと、そうそううまくはいかないと思います。何年か前に比べて、そうしたビジョンがはっきりとできているかいないかで、開業されてからの患者さんの伸び率に差が出ています。

そして、やはり伸びている先生というのは、ビジョンがとてもクリアです。一方、なかなか特色をきちんと出していくことができないとどうしても伸び悩んでしまうというクリニックもあり、二極化が進んでいます。やはり大事なのは「ブランディング」ですね。ご自分のクリニックがどういうクリニックなのか、ということを考えるのは、成功のためにとても重要なことと肌で感じています。

そのうえで、ご自身のクリニックの特性や強みを、患者さんや採用応募者を含めた「外部」にしっかり発信していく媒体を持つことで、集患などの売上増加、採用・教育コストを含めて人件費を主とするコスト削減につながると考えています。



税理士法人 TOTAL

税理士・行政書士

松浦 薫様


山口県下関市出身。 東京大学卒業後、ライオン株式会社に入社。営業として薬局や薬系卸店への営業を経験後、マーケティング部門へ。「休足時間」のプロダクトマネージャーとして商品企画から広告宣伝、ブランド損益管理に携わる。

その後、ボストンコンサルティンググループに転職、コンサルタントとして10年間に亘り、消費財、製薬、通信ほか幅広い業界にて、マーケティング、営業、組織系のプロジェクトを数多く経験。

その間、自身の実家の事業の関係で税理士と仕事をしたことがきっかけで、「個人と長く、深く関わるコンサルタント」である税理士を志すようになり、一念発起し勉強に専念。

現在は、税理士法人TOTALにて税理士・行政書士をしながら、税理士・行政書士のダブルライセンスを活かして、開業ドクターの税務顧問として、開業スタートから法人化、承継まで幅広くお手伝い。モットーである「《その》お客様が、一番、永く深く関わりたいと思うコンサルタント」となるべく、ご家庭のライフプランやご相続のご相談など、クリニック関連にとどまらない「ドクター個人」としてのご相談も受け付けている。



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